映画『パンク侍、斬られて候』、ぶっ飛びたい方は鑑賞を!

久しぶりに映画館に映画を観にいきました。
おもろい作品です。

『パンク侍、斬られて候』という映画です。

芥川賞作家の町田康の同名小説が原作です。
映画監督は石井 岳龍、脚本を宮藤官九郎が手がけた映画です。
この小説は2004年に発表されたもので、私が初めて読んだ町田康の小説です。
面白く、何回か読み返していたものです。
過去に舞台化されたこともあり、その時も見に行きましたが、今になった映画化されるとは思っても見ませんでした。

映画は2018年6月30日(土)の公開で、公開日初日の開始一番に観て参りました。

町田康ワールド全開!

この映画はもしかすると好き嫌いが別れやすいかもしれません。
というのも、原作の小説がその設定、ストーリー、セリフ、等々が町田康ワールド全開である為、同氏の小説世界感に合わないと、『訳がわからない』となるかもしれないからです。

独特の世界観を町田康独特の文体で読ませる小説はスゴク面白いのですが、正直、映画化されたと知った時は、映画だと色物のファンタジー映画になってしまわないかと思ったものです。

しかし、その稀有は不要であり、原作、脚本、キャスト、映像・音がハマった町田ワールド全開のカオス感満載の面白い映画でした、

あらすじ

ストリーの展開としては以下の感じです。

主人公である超人的剣客が仕官の為、ある藩の家老に腹ふり党の脅威を持ちかける。
腹ふり党とは世界は条虫の中にあり、念仏ならぬ腹ふりを一心不乱に行うことでこの世界から離脱できると説く新興宗教。
近隣諸藩は腹ふり党により滅びているが、超人的剣客である自分ならその対処が可能であるから仕官させろと。

家老はこの腹ふり党を政争に利用し、結果ライバル家老は猿回し奉行へ左遷。
左遷させられた家老は結果とし猿回しに自分の存在価値、喜びを見出す。しかし、一向に腹ふり党の脅威はやって来ない。
調査の結果、腹ふり党は既に解党していたことが判明する。

腹ふり党を政争に利用したい家老は、超人的剣客を含むメンバー4名を腹ふり党再興プロジェクトに任命。
プロジェクトメンバーは元腹ふり党幹部を担ぎ、党の再興に成功するも、想定以上にその信者・勢力が拡大。
藩内は腹を振り狂人的に踊り狂う腹ふり党の信者で溢れかえり、遂には城まで焼かれる始末。

こうした事態に対し、猿回し奉行のもとにいた、言葉を話す猿の力を借りることに相成る。
全国の猿が集結し、猿対腹ふり党の戦いが始まる。

あらすじだけでも、かなり訳のわからない感じですね。
この設定に各登場者たちの個性的キャラが合間って、かなりカオス的な作品となっています。

豪華かつ納得のキャスト陣

この映画のキャスト陣はなかなかの人達が揃っています。
綾野剛、北川景子、豊川悦司、國村隼、東出昌大 等々

よく原作と映画化のイメージがちょっと違う、みたいなことがありがちですが、この映画ではそんなことははありませんでした。

主人公の綾野剛も勿論良かったですが、次の三方は私のツボにハマりました。

浅野忠信 as  茶山半郎
染谷将太 as 幕暮孫兵衞
若葉竜也 as オサム

特に染谷将太はこの作品の全体的な雰囲気・趣旨を醸し出す上でのキーパーソンだと思いました。

あと、原作者である町田康も出演していたのはちょっとしたサプライズでした。

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原作を読んでいない人にもおすすめ

この映画は原作の小説を読んでいなくても楽しめる映画だと思います。
あとはこの世界観を楽しめるかどうかです。

映画を見ている間、くすりと笑ったり、心の中でニヤリとしながら見ておりました。

でも、小説を読んでからこの原作が一体どんな映画に仕上がるのか、という観点で見られるのも面白いかと思います。

ちなみに町田康の小説で、このパンク侍に並び好きで何回も読み返した作品が『告白』です。
こちらも染谷将太あたりを主役に映画化されら面白そうだなぁ。