今日の日経に「グーグル、画面覆う広告見直し検討」という見出しの記事がありました。
現在、ネット上での広告表示を拒否する「アドブロック」機能の広がりに対して、米グーグルが業界全体で広告基準を定めることを検討するといったものでした。
アドブロックとは、Webサイトを見る際に広告を非表示にする機能です。
実際に「アドブロックプラス」等、現在様々な広告を非表示にするソフトが存在します。
アドビシステムズの調査によれば、広告を非表示にするソフトの利用者は全世界で約2億人近くいるようです。
グーグル自体がネットでの広告により収益を上げているため、この状況は当然看過できないものです。
Web閲覧者にとって迷惑となる行き過ぎた広告への基準を定めるべきだという検討は、Googleにとっては迷惑広告を無くし、優良な広告媒体を存続させるために必要な動きだと思います。
2014年の世界のデジタル広告市場は約17兆円と超巨大な市場です。
アドブロックによる広告非表示の流れが広告市場へ与えるインパクトは、広告収入スキームの根幹を揺るがす大きなものです。
今回は、こうしたアドブロックという広告非表示の動きについて考えました。
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iPhoneやYouTubeにおける広告の動向
ここ最近、アップルやGoogleの傘下であるYouTubeにおいて、広告非表示、広告収入に影響する以下2つの大きな動きがありました。
iPhoneやiPadでも広告非表示に
iPhoneやiPadなどの基本OSであるiOS9が9月にリリースされたところですが、
iOS9には「コンテンツブロック機能」が搭載されました。
始めからSafariで広告非表示設定ができるのではなく、広告を非表示にするアプリをインストールすれば非表示設定が可能となりました。
App Storeで「コンテンツブロック」で検索すると有料・無料の様々なアプリが表示されました。
YouTube Redの登場
まだ日本では開始していませんが、2015年10月28日に「YouTube Red」がアメリカでサービス開始しています。
このサービスは月額約1,000円程度で、YouTubeを閲覧する際の広告を非表示にすること等が出来るサービスです。
ユーザ側による広告非表示設定が進む状況において、事業者側の収益構造を見直す一つの手段として登場しました。
広告非表示化の流れ、及び「YouTube Red」の登場で、YouTuber(ユーチューバー)といわれる個人で動画を配信して広告収入で稼ぐ人達への影響も今後出てくるのでしょう。
広告非表示化によるWebメディアへの影響について
広告非表示化が今後、加速度的に進んでいった場合どうなるのでしょう。
広告収入により運営を維持しているメディアについては、広告収入が激減への対応としてコンテンツの有料化に進むか、コンテンツそのものを何らかの購買につなげるための入り口として運営を続けることになるでしょう。
広告を表示しない閲覧者にはそのサイト自体を表示させないといった仕組みなどの対処策もあるようです。
メディアの広告収入減やコンテンツの有料化は、いずれにしてもグーグルアドセンスによるGoogle自体の収益構造に大きな影響を与えるため、グーグルとしても冒頭の日経記事にあるように、不快で迷惑な広告基準を定め、有料な広告との線引きを行って広告収入を維持する必要があるのでしょう。
アドブロックに関する私の考え
私がコンテンツブロッカーを導入するかというと、「導入しない」という立場です。
私自身、これまでWeb上のブログやその他様々な無料情報サイトの情報を参考にして生活してきたので、そうした情報への対価としての広告収入はあってしかるべきだという考えです。
不適切な広告表示があるサイトはコンテンツブロッカーによるものではなく、自然淘汰される、もしくはグーグル等業界が検討を進める適正基準による是正というかたちが健全だと思います。
広告をブロックしてWeb上の情報を見続けた結果、これまで参考にしていた有益な情報発信のブログがいつの間にか閉鎖になっていた、ということは望みません。
私もアドセンス広告をこのブログに掲載してますが、アドセンスで稼いで生活するといったものでは到底ありません。
ですが、ブログに訪問して頂き、少しでも収益が上がると励みにはなっていると思います。
いずれにしてもブログ更新を継続していきます!