苫米地英人の「イヤな気持ち」を消す技術を読んで考えた。

イヤな気持ちを消す技術

「ホンマデッカTV」というテレビを好きでよく見るのですが、その中で、カレーが嫌な記憶を消す、という研究がされていると紹介されていました。

カレーに含まれるクルクミンにその効果があるのでは、という内容でした。

イヤな記憶や気持ちは早く消したいものですよね。

イヤな記憶、気持ちに囚われてしまい、クヨクヨと先に進めない。

私もそんな経験がよくありました。また現在もそんな状況でした。

今回の記事では、そんな状況のなか、先日読んだ、

「イヤな気持ち」を消す技術という本の紹介です。

私はkindle版で読みました。

この本は3年前に発刊されたもので、著者である苫米地英人さん本人が本書を紹介するビデオもYouTube上でアップされています。

その動画では、

人が悩んだり、不安などのイヤな気持ちに囚われるのは「バカだから」

という挑発的な発言がありますが、その意図が本書には書かれております。
私が本書のなかで印象深かった内容を大きく2点、以下に記してみます。

”心”とは一つの現象につけられた名前にすぎない。二つのタイプの「悩み」

心には当然実態があるものではなく、脳の中での情報処理による現象に過ぎず、悩みや、不安といったものも同様のものです。

悩みにも二種類あり、例えば営業で売り上げがなかなか上げられない状況があり、売り上げを上げるために何をするかを悩み」、訪問件数を増やしたり、ターゲットを変えてみる等の状況を改善するために考えるといった「悩み」は何の問題も無いと著書はいいます。

著書が問題として捉え、本書で「イヤな気持ち」として取り上げているのは、漠然として情動的な悩み・不安といった感情の方です。

心とは一つの現象であり、そのタイプに、楽しい、怒り、悩み、不安等々の様々な情動的な現象があるに過ぎず、怒りや不安といったマイナスの情動に囚われてしまうのは、先ほどの営業を上げたいという未来志向の悩み(考え)とは異なり、現在・過去に囚われている何の生産性もない状態であるいうことです。

そのために、イヤな気持ちに囚われている状態は「バカ」だからという発言につながります。

(悩みや不安といった情動が小説、芸術等の原動力となる事実はあると思いますが、本書の趣旨はそこではありません)

また、本書では、そうしたイヤな気持ちが発生する脳の機能的メカニズムについても書かれています。

過去が未来を制約することはない

著者はいいます。時間というのは未来から過去へ流れていると。

未来は時間が経つと現在になり、現在は時間が経つと過去になり、過去はさらに遠い過去になっていきます。

多くの人が過去のイヤな出来事や体験が現在の自分をつくっていると考えますが、

未来は過去とは無関係にやってきます。

これは言われてみると当然のことですが、なかなか気づけないことだと思いました。

過去に自分どうだったということと、未来にこうありたいという望みが実現するかしないかは関係ありません。

今変われば、新しい未来が過去とは関係なく存在しているのです。

過去のことにクヨクヨし、因果を感じているのであれば、それはその人自身が過去に拘り、過去と同じ行動を現在に繰り返しているからに他ならないということです。

これは一時期流行っていた、アドラーの心理学に共通する考え方だと思いました

アドラー心理学でも、例えば自分の容姿等を理由にして社会適応できない等、自分の行動を制約しているのは、単に自分がそうしたいからにすぎなず、後付けとして自分の容姿等を理由にしているに過ぎないというものでした。

現在の良し悪しは未来の因果で決まる、そう考えると、意味の無い悩み・不安といった情動に囚われている場合ではないということです。

未来を考えるということは、怒りや不安といった扁桃体等のより本能的な脳機能とは異なり、より高次元の前頭前野を使うIQの高い活動です。

著者が述べる、イヤな気持ちに囚われ続けるのはバカだから、という趣旨に繋がります。

 

いやな出来事等で悩み、不安になっている時は、えてして過去に囚われているものです。

この本に書かれていることを意識し、自分の状況を俯瞰的に捉え、「脳が不安や悩みという心の現象を作ってしまっているなぁ」くらいに受けとめて未来に向かいたいと思います。

豊かなリタイアに向けて今を変えるきっかけとする、これが本ブログの一つの趣旨です。

本ブログを利用してイヤな気持ちを消し、未来を考えていきたいと思います。

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